【完全保存版】「うちの子、もしかして?」と思ったら。発達障害の特徴・診断から、受給者証・手帳の違いまで徹底解説

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コラム

うちの子、言葉が遅い気がする

落ち着きがなくて目が離せない・・・

集団行動が苦手みたい・・・

毎日の子育ての中で、ふとそんな不安を感じることはありませんか?

インターネットで検索しては、不安な情報ばかりが目に入って落ち込んでしまうパパやママも多いかもしれません。

私達夫婦も、周りに相談できるママ友・パパ友もおらず、不安のあまり毎日、毎日ネットで検索していました。

この記事では、お子様の発達について気になり始めたご両親に向けて、発達障害の基礎知識から、診断の流れ、そして支援を受けるために必須となる「受給者証」と「障害者手帳」の違いまで、これ1本でしっかり分かるようにまとめました。

正しい知識は、お子様とパパ・ママの笑顔を守る「お守り」になります。

ぜひ最後まで読んでみて下さい。


1. これって個性?それとも…?発達障害の主な「特徴」

発達障害は、脳の機能の偏りによって生じるもので、親のしつけや育て方のせいではありません。主な3つのタイプと、年齢ごとの気になるサインをまとめてみました。

主な特徴(幼児期)

✅ ADHD(注意欠如・多動症)

  • 落ち着きがない・じっとしていられない
    座っての活動が続かず、ふらっと立ち歩いてしまう。
  • 注意が散りやすい
    興味のないことへの集中が難しく、他の刺激にすぐ反応する。
  • 衝動的な行動
    思いついたらすぐ行動し、順番を待つのが苦手。
  • 忘れ物・なくし物が多い
    物の管理が難しいことがある。

✅ ASD(自閉スペクトラム症)

  • コミュニケーションの難しさ
    目が合いにくい、名前を呼ばれても反応しにくい、会話が一方的になる。
  • こだわり行動
    同じ遊びを繰り返す、順番ややり方が変わると強い抵抗を示す。
  • 感覚の過敏・鈍麻
    大きな音を嫌がる、特定の素材を避ける/逆に痛みに気づきにくいなど。
  • 集団行動が苦手
    友だちとの関わりで戸惑いやトラブルが起こりやすい。

✅ LD(学習障害:幼児期は「診断」よりも“気づき”の段階が中心です。)

  • ことばの発達の遅れ
    言葉が出るのがゆっくり、語彙が増えにくい。
  • 文字・数への理解の困難さの兆し
    形の認識が苦手、数を数えるのに時間がかかるなど。
  • 不器用さ
    はさみ・お箸・ボタンなど細かい動きに苦戦しやすい。
  • 記憶が定着しづらい
    歌やルールを覚えるのに時間がかかる場合がある。

【年齢別】よくある「気になるサイン」

※発達には個人差があります。これらが当てはまるからといって、必ずしも発達障害というわけではありません。「目安」として捉えてください。

🌟 ADHD(注意欠如・多動症)

▼ 1〜2歳ごろ
  • 活動量が非常に多く、常に動き回る
  • 危険への警戒が弱く、急に走り出す
  • 刺激に反応しやすく、注意が散りやすい
▼ 3〜4歳ごろ
  • 座っての活動(読み聞かせ・工作)が続かない
  • 順番待ちやルールのある遊びが苦手
  • 「思ったらすぐ行動」によるトラブルが起こりやすい
  • 集団活動で席を離れやすい
▼ 5〜6歳ごろ
  • 忘れ物・物の管理が苦手
  • 興味があることには集中しすぎる一方、苦手なことは続かない
  • 友達の言動に過剰反応してけんかになることも
  • 先の見通しを立てたり、気持ちを切り替えるのが難しい

🌟 ASD(自閉スペクトラム症)

▼ 1〜2歳ごろ
  • 目が合いにくい、あやしても反応が薄い
  • 指差し(要求・共感)が少ない
  • 名前を呼んでも振り向きにくい
  • 同じ遊び(回す・並べる)を繰り返す
▼ 3〜4歳ごろ
  • 会話のやりとりが難しい(オウム返し・一方的な話)
  • 友達と一緒に遊ぶより、一人遊びが多い
  • 音や光、服の素材などへの強いこだわり・過敏
  • 予定変更に強く抵抗する
▼ 5〜6歳ごろ
  • ルールを文字通りに受け取りやすい
  • 自分の興味のあることを長時間続ける
  • 集団行動で指示の意図を理解しにくい
  • 気持ちの切り替えが難しく、パニックにつながることも

🌟 LD(学習障害)※兆候として見られやすい特徴

▼ 1〜2歳ごろ
  • ことばが少ない・理解がゆっくり
  • 音を聞き分けるのが苦手な様子
  • 手先の不器用さが目立つことがある
▼ 3〜4歳ごろ
  • 色・形・数の概念の理解がゆっくり
  • 歌や語句の記憶に時間がかかる
  • 文字の形を覚えにくい、まちがえやすい
  • 手先を使う遊び(折り紙・はさみ)が苦手
▼ 5〜6歳ごろ
  • ひらがな・数字の読み書きでつまづきやすい
  • 音と文字の結びつきが弱い
  • 簡単な指示が覚えにくい、複数同時の指示が難しい
  • ボール遊びなどの運動が苦手な場合もある

注意点

幼児期は成長のスピードに個人差が大きいため、「この特徴がある=発達障害」とは限りません。ただ複数の特徴が継続して見られる生活や集団生活で困りごとが目立つ場合は、発達相談や専門機関に繋がることで早めにサポートを受けやすくなります。

私の場合、「症状は当てはまっているけど発達障害と認めたくないな。」「いつかは周りの子に追いつくだろう。」という思いがあり、専門機関への相談を躊躇してしまいました。

今思えば、相談だけでも早くすればよかったな。と思っております。


2. 病院に行くべき?「診断」までの流れ

相談したいけど、どこに行けばいいの?

相談先を迷ってしまう方も多いかと思います。

以下に一般的な相談先・診断までの流れをまとめました。

STEP 1:身近な相談窓口へ

いきなり病院に行くハードルが高い場合は、地域の公的機関へ相談してみましょう。

  • 保健センター: 乳幼児健診を行っている場所。保健師さんに相談できます。最初に相談する場所として最も一般的です。
  • 子育て支援センター: 気軽に遊びに行ける場所で、スタッフさんに相談できます。
  • 児童発達支援センター: 専門家による発達評価などより専門的なアドバイスがもらえます。

STEP 2:医療機関を受診

専門医(小児神経科、児童精神科など)を受診します。

ここでは、親御さんからの聞き取りや、お子様の行動観察、必要に応じて発達検査(WISCなど)が行われます。

STEP 3:診断、または経過観察

医師による総合的な判断が行われます。

「診断はつかないけれど、発達の凹凸がある(いわゆるグレーゾーン)」と言われることもあります。

診断がつかなかった場合でも様々な専門機関に相談できます。

まずは一歩踏み出しましょう!


3. ここが少しわかりにくいところ…「受給者証」と「障害者手帳」の違い

発達支援で療育に通わせたいな

手帳って持ったほうがいいのかな?

多くのパパ・ママが戸惑ってしまうのが、“受給者証” “障害者手帳” の違い です。

とても簡単にまとめると…

  • 受給者証 → 療育サービスを利用するための“パスポート”
  • 障害者手帳 → 障害があることを証明し、割引や支援を受けられる“身分証”

という役割の違いがあります。

① 通所受給者証(通称:受給者証)

療育施設(児童発達支援や放課後等デイサービス)を利用するために必ず必要なものです。

  • 目的: 療育サービスを「1割負担(世帯所得による上限あり)」で受けるための制度。
  • 取得条件: 医師の意見書などがあれば取得可能(障害者手帳を持っていなくてもOK確定診断がなくても取得できるケースが多い)。
  • 発行元: お住まいの市区町村。
  • メリット: 専門的な療育を受けることで、お子様の「できること」が増え、生活しやすくなります。

娘は障害者手帳の対象外でしたが、受給者証のみ発行してもらい、息子と一緒に運動療育に通っていました!

② 障害者手帳(手帳)

障害があることを証明し、様々な福祉サービスや税制優遇を受けるためのものです。日本の障害者手帳は大きく3種類あります。

  1. 身体障害者手帳
    • 対象:身体の機能に障害がある場合
      例)視覚・聴覚・音声言語・肢体不自由・内部障害(心臓・腎臓など)
  2. 療育手帳(愛の手帳、みどりの手帳など地域で名称が違う):
    • 対象: 知的障害がある場合(IQなどの基準あり)。
  3. 精神障害者保健福祉手帳:
    • 対象:知的障害はなくても、ASD・ADHD・LDなどの発達障害によって日常生活に困りごとが出ている場合 。

手帳を持つことで受けられるサポート

  • 所得税・住民税などの 税金控除
  • 電車やバスの 運賃割引
  • 映画館・レジャー施設の 割引(ディズニーランドUSJも割引対象です)
  • 携帯料金の 割引
  • 将来、就職する際に合理的配慮を受けやすくなる など

取得条件

指定医の診断が必要です。以下に簡潔にまとめました。

① 身体障害者手帳(身体の機能に関する手帳)

対象になる障害例

  • 視覚に関する障害(弱視、視力が大きく低下している など)
  • 聴覚障害(難聴など)
  • 手足の機能の障害
  • 先天性の欠損(手指の欠損、肢体不自由 など)
  • 内部障害(心臓機能・腎臓機能・呼吸器などの慢性的な障害)

取得の基本条件

  • 医師が「身体障害者福祉法」で定められた等級基準を満たすと診断すること
  • 障害が長期間にわたり続く見込みであること
    ※「治療すれば治る」は対象外

生まれつきの欠損や、幼少期から長く続く機能の障害がある場合は、比較的証明しやすいです。

詳しくは厚生労働省のホームページをご参照ください。


② 療育手帳(知的障害がある方向けの手帳)

対象になる状態

  • 生まれつき、または幼少期から続く 知的発達の遅れ がみられる
  • IQの数値だけでなく、生活能力(食事・着替え・対人関係など) も含めて総合的に判断される

取得の基本条件

  • 都道府県が指定する判定機関で「知的障害がある」と正式に判定されること
  • 軽度~重度まで幅広く対象

ポイント
IQが低いことだけが条件ではなく、
日常生活にどんな苦手さがあるか
成長の状況はどうか
などをまとめて評価します。

発達障害(ASD・ADHD)だけでは取得できませんが、発達障害+知的な遅れがあり日常生活で不便さがある場合には対象になります。

日常生活で気になることやお困りごとを事前にメモするようにしましょう!

詳しくは厚生労働省のホームページをご参照ください。


③ 精神障害者保健福祉手帳(精神・発達障害の特性に関する手帳)

対象になる障害例

  • 自閉スペクトラム症(ASD)
  • ADHD
  • 学習障害(LD)
  • うつ病・双極性障害
  • 統合失調症 など

取得の基本条件

  • 精神疾患(または発達障害)の状態が 6か月以上続いている
  • 医師の診断書で
    「日常生活や社会生活に一定の困りごとがある」 と証明されること
  • 困りごとの程度により 1~3級 に判定されます
    • 1級:日常生活がほとんど自立していない
    • 2級:外出や日常生活にかなりの制限がある
    • 3級:仕事・学習・生活の中で一定の制限がある

発達障害のお子さんの場合、「認知特性による日常生活のしんどさ」や「集団生活に入れない」「人とのトラブルが多い」などの困り感が継続していると対象になることがあります。

詳しくは厚生労働省のホームページをご参照ください。

【比較表】受給者証 vs 障害者手帳

特徴受給者証(通所受給者証)障害者手帳
主な目的療育サービスを利用する税金控除や割引を受ける
必要性療育に通うなら必須必須ではない(選択制)
取得の難易度比較的取りやすい(診断書不要な場合も)医師の診断や検査結果が必須
更新1年ごとの更新が一般的数年ごとの更新(種類による)
持っていなくても療育に通えない(全額実費になる)療育には通える

4. まずは何から始める?パパ・ママができること

ここまで読んで、「やることが多そう…」とため息をついてしまったかもしれません。ただでさえ大変な育児に追われており、大変に感じられると思います。でも、全部一度にやる必要はなく、できることから少しずつ進めてみてください

  1. 観察と記録:「どんな時に困っているか」「何ができるようになったか」をメモしておきましょう。相談の際にとても役立ちます。
  2. 相談:お住まいの自治体の「障害福祉課」や「保健センター」に電話してみてください。「子供の発達で少し気になることがあって…」と伝えるだけで、担当者が優しく案内してくれます。
  3. 見学:もし療育(児童発達支援)に興味があれば、受給者証を取る前でも施設の見学は可能です。お子様に合いそうな場所を探してみましょう。

まとめ:焦らなくて大丈夫。お子様のペースで。

お子様の発達について不安を感じると、私たち夫婦もそうだったのですが、ついインターネットで調べすぎてしまったり、「うちの子だけ…?」と落ち込んでしまうことがあるかもしれません。
でも、発達には本当に大きな個人差があります。そして「ちょっと気になるところがある」と感じられたその“気づき”こそが、大きな一歩だと思います。

もし心配な気持ちが続くようなら、ひとりで抱え込まず、地域の相談窓口や専門機関に話してみてください。相談したからといって、急に診断がつくわけではありませんし、「相談=問題がある」ということでもありません。
むしろ早めに話を聞いてもらうことで、お子様に合ったサポートが見つかりやすくなり、パパ・ママの気持ちもぐっと楽になるはずです。

また、「受給者証」や「障害者手帳」と聞くと、構えてしまう方も多いと思いますが、これらは決して特別なものではありません。
“お子様とご家族が暮らしやすくなるための道具”として用意されている制度です。

実は当時の私は制度のことを何も知らず、指定医の先生に「手帳を持つと将来の仕事に不利になるのでは?」と聞いてしまいました。すると先生は「今の時代、そんなことはないよ。大丈夫だから手帳申請しましょう。」と力強く教えてくださいました。
今振り返ると、もっと早く相談していればよかったなと思うくらいです。

どうか焦らず、お子様のペースを大切にしてあげてくださいね。
そして、パパ・ママご自身の心の休息も、どうか忘れないであげてください。


次にあなたがすべきワンステップ

気になることをメモしておき、相談窓口で話してみる
・かかりつけ医や健診の機会に、ちょっとした気がかりを伝えてみる
・地域の子育て支援センターに遊びに行き、スタッフに気軽に相談してみる

小さな一歩でも、未来の安心につながります。
これからも、お子様の成長を温かく見守っていけますように。

※当サイト【虹マッチ 発達ナビ室】では他にもコラムで発達障害について情報を随時配信しております。また名古屋市の放課後デイサービスなどの施設情報も配信しておりますので是非ご活用ください。